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暴力団と銭湯!

20年以上まえの出来事です。

私は、大きな浴槽のお風呂が大好きで

職場の近くのサウナの月会員になり、サウナには入らずにお風呂を利用しに毎日通ったり

銭湯の回数券を買って毎日銭湯に入ったりして

とにかく、自宅のお風呂には数年間も入らない時期がありました。

普段は決まって同じ銭湯に通っていましたが

その銭湯は、1ヶ月に2日定休日がありました。

仕方ないので、近所の2番目に気に入っている銭湯に行くのですが、その日はその2番目に気に入っている銭湯までもボイラーの調整だかで休みでした。

 

自宅のお風呂で我慢しようかとも思いましたが

やっぱり大きな浴槽が良いなぁと思い

少し遠くのあまり行った事のない銭湯に行く事に。

その日は仕事が休みだったので、夕方のまだ明るいうちにと、15時くらいに行きました。

 

銭湯の駐車場はまだ開店まもなくなのに満車ににちかくて、なおかつ出入り口の前の道路に

白のランクルが違法駐車しています。

 

私な何とか駐車スペースを見つけて車を止めて

中に入りました

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銭湯のカウンターには、おじさんが居ます

私はおじさんに銭湯代を払い脱衣所に向かおうとしました

が、なぜか

いま入りますか?

と、おじさん。

私、ハイ。

おじさん、どうぞ‥

こんなやり取りをして脱衣所に入ります

特段なんてことのない普通の脱衣所です

服を脱ぎ、脱衣所からお風呂に入りましたが

駐車場が満車だった割には人が少なくて

あれ?おかしいな?

女湯が混んでいるのかな?なんて思いながら

掛け湯をして浴槽に入入りました。

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5分くらい気持ち良く浸かっていると

奥の露天風呂の扉が開き

1人の男の人が浴槽の前にある洗い場に向かって歩いて来ます。

60歳くらいで、堂々とした歩き方で、

ふと肩の方に目が行きました。

そうです。

龍のような

鯉のような

刺青です。

その人の後から、ぞろぞろと

人が連なって歩いて来ます。

直ぐ後は50歳位

その後は40歳位

その後に30歳代位から20代位の舎弟でしょうか?

総勢15名の御一個様です。

若い2〜3人を除いて、みんな刺青が入ってました。

すると

親分さんがこれから座り、体を洗うであろう場所を

若い人達が準備します

1人は椅子を

1人は周りをシャワーで流して

1人は石けんやジャンプーを

親分が椅子に座ると

手足を伸ばしました。

すかさず

1人が背中を

1人が足を

1人が腕を

石けんタオルでゴシゴシ

どうやら

親分さんは自分で体を洗わないみたいです。

全身を3人がかりで洗い終わると

丁寧にシャワーで流します。

次に頭を洗うようですが

私はこの辺で

なんだかバカバカしくなり

露天風呂に向かい

この御一行様がお風呂から出るのを待とうと思い

露天風呂に入ったり、

ベンチに腰掛けたりしながら時間を潰してました。

すると若い衆の1人が露天風呂に入ってきました。

申し訳なさそうに私に話かけて来ます

あのーすいません

私 はい?

この後直ぐに親分さんが露天風呂に入って来ますので、大変申し訳ないんですが、中の内風呂に移動してもらえませんでしょうか?

私 僕はぜんぜん気にしてないので入ってきてもらって大丈夫ですよ?

いえそう言う事ではなくてですね、

親分さんは1人でこの露天風呂の湯船に浸かる流れになってまして。知らない人が居るとちょと

困るんです。

私 あぁ、そう言うことなら分かりましたと言って露天風呂から出ました。

私はさっさと体を洗ってとっとと銭湯から帰ろうと思い体を洗い脱衣所へ。

体を拭いていると、ちょうど御一行様も脱衣所へ入って来ます。

やっぱり親分さんは仁王立ちで、体は若い子達がバスタオルで親分さんを拭いています。

その内の1人がパンツ一丁で何やらポーチを持って休憩室に出て行きました。

私は服を着て休憩室に出ます。

長椅子に座ると先程の若い衆の1人が自動販売機で大量にジュースやお茶、コーヒーなどを購入してます。

カゴいっぱいに飲み物を入れて脱衣所に持って戻るのかなて思ったら

何故かこちらに向かってきます。

 

先程はありがとうございました。

カゴを指差して好きなのどうぞ、

飲んでください。

私、そんなのもらえません、気にしてないので結構です。

若い人 親分さんからなので受け取って下さい。

きっとご迷惑を掛けた人には義理を通せと言われるのかな?受け取らないとかえって

この方の立場を悪くするのかな?と思い受け取りました。

私 ありがとうございます。

若い人 すいません、これは親分さんからなので、礼なら親分さんに言ってください!

私 え?

若い人 中に親分さんいますので!親分さんに言ってください!

私 分かりました。

私は脱衣所に入り小さな声で

親分さんに話かけてみます

私 あのー、こ これ

飲み物、頂きありがとうございます。

親分さん おう!お兄さんの歳は幾つだ!

私 25歳です。

親分さん そうか!真面目に仕事はしてるか?

私 はい、今日は仕事が休みですが普段はまじめに働いてます。

親分さん そいつは良いことだ!ここにいる連中みたいにはなるんでないぞ!と言い若い衆に向かい指差ししました。

若い人達はなんとも言えない神妙な表情をしてこっちを見てます。

私 あっ、はあ。失礼しますと言って脱衣所を出ます。

ふと、カウンターをみると

おじさんがアイコンタクトで

だから最初にいま入りますか?て

聞いたでしょ?

私もアイコンタクトで

知ってるのなら最初にハッキリ言ってよ?

と返します。

私はおじさんも大変な仕事だなと思い

あの若い人も大変。

若くない中堅の人もきっと若い頃は親分の体を洗ったんだろうなぁ。

親分さんも本当は風呂くらい1人で入りたいだろうな?

とか思うと、なんだか

好きな銭湯に毎日入りなに不自由ない生活してる自分が幸せに感じました。

いまでも、その銭湯は存在します。

 

試しにGoogleのクチコミを見てみると

最近でも刺青の方が入ってると書いてありました。