死体がゴロゴロ！
今から20数年前の出来事です。
私が当時、清掃業の会社に勤めていました。
社長、事務員、営業マン、現場の従業員が４人、その1人が私で
その他にパートやアルバイトが数名と
小さな会社です。
ある春のです。
まず現場従業員の上から２番目の
中堅社員が、会社のワゴン車で
事故を起こし、しかも飲酒運転で
痛ましい事に同乗者が亡くなったり
大怪我をする大変な事態になり、
会社の車だった為に、会社に賠償責任を
問われる可能性があり、社長は裁判や
なんやかんやで、会社存続の危機に奔走していました。
しかも、この事故を起こした中堅社員さんは、執行猶予中（覚醒剤）だったからか、自宅を家宅捜査されてしまい、
また風呂の排水口に隠してあった
覚醒剤が見つかってしまい再逮捕！
後から分かった話では、自分で使用もしていてさらに売人でもあったそうです。
そうこうしていると。
こんな事態で会社の日々の事が疎かにに
なってしまった社長と、現場従業員の
1番偉いベテラン社員さんが喧嘩をして
退職をしてしまいました。
残されたのは当時は二十歳そこそこの
私と少し先輩の従業員とパートさん
アルバイトさんです。
当時、現場の指揮をしていたのは
ベテラン社員さんで
ベテランさんが不在では技術的には
もちろん明日は何処の現場に行き
何をしたら良いかもさっぱり分からない
始末で、現場はてんやわんやに。
ですが、仕方ありません。
分からないなりにも仕事をこなさなければならないのです。
そんなある日、
退職したベテランさんが担当していた
現場で医科大学病院の附属大学学校の
ガラス清掃に私が行く事になります。
そのベテラン社員さんが退職前に
おおよそ全体の7割位のが施工済みで
で残り３割が未施工のと記載されて
いる図面がありましたので
当時、幼かった私は、
簡単に考え、図面を見ながら
この施工済みの印が付いていない箇所の
ガラス清掃すれば良いんでしょと！
現場に向かいます。
たまたまその日は日曜日で、
大学の学生さんも施設管理の大学職員さんも休みで、守衛のおじさんしかいません。
私は守衛さんに図面を見せここが未施工だから、今日はここのガラス清掃したいので鍵を開けてほしいと伝えてました。
守衛さんは、
え？解剖室もガラス清掃するの？
と言いました。
私は実際のところ、どこからどこまで
の作業範囲かなんて分かりませんが、
分からないとは言えず、強気に
図面を指差してそうです、いいから
早く鍵を開けてと言い、半ば強制的に
鍵を開けてもらいました。
守衛さんは、こう言いました。
解剖室の鍵を開けるのは初めてだなぁ
と。
そんなこんなで
解剖室か何か知りませんが
建物の中に入り鍵を開けてもらった部屋へ入ります。
するとそこにはこんな光景が
もちろん解剖はしていませんし
誰もいませんが、
包帯で全身をグルグル巻きにした
人形らしき原寸大の物が
解剖台に何体も並んでいます。
数えてはいませんが、30体以上は
いたと思います。
私は医大生が、解剖の練習用に使う
人形かなんかだと思い
指で包帯の上から触って押してみたり
しながら、1人で遊び心満点で
仕事のガラス清掃をしていました。
しばらくしてガラス清掃も終わり
守衛さんに今度は鍵を閉めてもらおうと
思い向かおうとしたところ、
丁度よく守衛さんがこちらに向かい
走って来ました。
守衛さんは少し様子がおかしく
焦った様子。
守衛さんが開口一番に
見ました？と言います。
何をですか？と私
解剖室に入ったんですよね？と守衛さん
入りましたよ。と私
あれ本物だよと。守衛さん
あれって人形ですか？と私
そう！その人形！全て本物！
明日の解剖の授業で医大の生徒さんが
本物の遺体を利用して臓器や体の作りを
勉強するんだって！
その守衛さん、普段は解剖室は巡回の範囲には入ってなくて、鍵を開けたことも
なかったことから、
一応、医大の管理の職員さんに電話して
確認ところ、
解剖室は関係者以外の立ち入り禁止で
しかも、ガラス清掃の範囲外ですとの
事で、守衛さんも解剖室に包帯グルグル巻きの遺体がある事は今日初めてその
職員さんから聞いたそうです。
つまり、私が遊び心満点で
触ったり指でツンツンしたのは
どこの誰だか分からないご遺体だった
と！！
人形だと思いツンツンしてしまったこと
に大後悔！
ちなみにねと守衛さん
この隣の部屋のこの扉
冷凍庫で中には臓器が部位ごと冷凍されているらしいよと教えてくれました。
こんな感じで使うんでしょうか？
よく昔の都市伝説で
遺体をホルマリン漬けにするバイトが
あるとかなんとかの話、あれは
都市伝説ではなく本当にあったんだと
思います。
だって見てしまいましたから？
もちろん20数年前の出来事なので
今は変わってるかもしれません。
